STAGE /ARCHIVES
演劇 1985-2020
東宝ホリプロ作品
あいじまが初めて挑戦したザ・ミュージカルです。
あいじま過去にミュージカルはやってはいます。2000年の『オケピ』、2005年の『ゴルフ・ザ・ミュージカル』。2013年の『恋と音楽Ⅱ』しかしこれらの作品は歌のうまさよりもお芝居の面白さを要求される作品でした。しかし『フランケンシュタイン』は音楽の素晴らしさを求めるお客様が楽しみにしている、そう言った意味で本格的なミュージカルだったのです。
『フランケンシュタイン』のオファーをいただいた時、え?僕で間違い無いの?と何度もマネージャーに確認し、顔合わせの時にプロデューサーにも聞いてしまったぐらいです。
あいじまにとって初めての挑戦でした。
35年以上芝居をしてきたのに同じ座組みの中に今まで共演したことがある役者さんはなんと0でした!全員がミュージカル畑の役者たち!それほど普通の演劇(ストレート・プレイ)とミュージカルは世界が違うものなのです。
公演会場は日生劇場。ミュージカルの聖地です。
初ミュージカルで、初日生劇場で、初・共演者に知り合い0!
完全アウェイのなかでスタートしたのです。
しかし、やってみると楽しかった!
結果で言うとあいじまの歌は1曲といくつかでやっぱりお芝居を求められていたわけでした
台本も何度も読んでもいまひとつ理解できず、どこが面白いのかもよくわからなかったのに、初めての顔合わせ本読みで稽古ピアノと歌が入った時に物語が立ち上がってきたのです!これがミュージカルか!と衝撃を受けたことを覚えています。
そして歌の上手い俳優がこんなにたくさんいるのかとびっくり仰天しました。後でキャスティングの裏話を聞いたら歌のうまさを一番にキャスティングしたとのこと。さもありなんでした。メインキャストたちは抜群のうまさ!とりわけ中川晃教(アッキー)さんと濱田めぐみさんは出色でした。ここまで歌えたら気持ちがいいだろうなぁと感動しました。アッキーは歌の力で暗闇を切り拓いて進んで行くそんな感じ!めぐちゃんの歌には物語を感じ何度聴いても涙が出てしまうほどでした。
完全アウェイ完全初心者のあいじまの話し相手となってミュージカルのいろんなことを教えてくれたのが鈴木壮麻(すずきそうま)さんです。そうまさんはあいじまの一つお兄ちゃんです。二人で稽古場の隅でおばちゃんのようにいろんな話をしていました。
そうまさんはボーリングの玉のようなコスチュームのイゴールという怪人を演じていたのですが濱めぐ演じる闘技場の女主人エヴァが歌う闘技場のテーマの中で、イゴールが自由に踊る場面がそれはもう最高だったのです。そうまさんは小屋入りの時までただ座って女たちが踊るのをみているだけだったのに「僕は座ってちゃダメだね」と言っていきなり、女の子たちの振りも決まっている中、自由に踊り始めたのです!そうまさんの40年近いミュジカル歴のいろんなダンスがギュッとつまったアドリブでした。素晴らしかった…軽やかに踊るその様があいじまには風のように思えました。これが役者のキャリアなんだなと思いました。そして、あいじま演じる厳格な叔父ステファンと強欲な金貸しフェルナンドにもあいじまのキャリアが出ていたらいいなぁと思いました。
DVDが発売されそうまさんのイゴールの踊りも見られるのですが再演バージョンはナンバーの尺が短くなっているのでちょっと残念。初演の時のことでした。
演劇の役者たちは馬鹿みたいに呑む奴が多いのですが、ミュージカルの役者は喉とか肉体に物凄い負荷がかかため、基本は稽古が終わったらまっすぐ家に帰ります。ですがこの座組みは猛者が多かった。よく飲みました。
中でも柿澤勇人と小西遼生はミュージカルの俳優なのにしかも鬼のようなハードな役をやっているのにまさに馬鹿みたいに飲むのです。楽しかった。りょうせいはライブもやっていていつか一緒にやろうと言ってるのですが実現するといいなぁ。
【公演日程】
2017/1/8~1/29 日生劇場
2017/2/2~5 梅田芸術劇場
2017/2/10〜12 キャナルシティ劇場
2017/2/17~18 愛知県芸術劇場